開発部
石井 大樹

このチームで、最強のものづくり集団を作っていきたい。

 
組み込みチームや各開発プロジェクトでマネジメントに取り組みつつ、エンジニアとしては「Akerun入退室管理システム」のハードウェア「Akerun Pro」「NFC Reader」「ドアセンサー」や「Akerun Remote」のファームウェア開発、品質保証も担当しています。
私の分野では、各ハードウェアが互いにBLEによって通信しており、それらをどう連携させるか設計するところから開発が始まります。
 
フォトシンスではマネジメント職になってもプレイングの要素が強く、自身も技術面で常に新しい挑戦を必要とされます。
また、私のチームの場合、マネジメントをしているというより、少数精鋭で自立したプロフェッショナルが揃う集団なので、開発の交通整理が中心になります。
 
 
出身は北海道函館市です。父が高専の教員で、兄や姉も勉強が好きだったので、家族の習慣や会話などから、自然と学ぶことが面白いと感じる環境だったと思います。
 
私は理系の学問が好きだったので自然と父が教鞭を取る地元の高専に進学し、今の仕事につながる原体験ができました。私は特に電気・電子系で回路やプログラミングを中心に学びました。
 
余談ですが、磁気を専門とする父の授業も受けましたよ。ロボコンの部活では、メカの加工、CADでの設計、回路設計、プログラミングなど一通り経験し、これが「Akerun入退室管理システム」の開発で必要とされるIoTエンジニアリング全体を理解する土壌になったと思います。
 
高専は5年制で大学のような雰囲気もあり、工作機械がある工場の近くにある部室に泊まり込んで熱中して開発することができる環境でした。
もっと研究する時間がほしかったので、高専卒業時に長岡技術科学大学に編入しました。
一人暮らしの部屋にはシャワーを浴びて荷物を取るためだけに帰り、後はずっと研究室にこもるだけの時期もありました。ここでフォトシンス創業メンバーで当時CTOの本間と出会うなど、充実した時間を過ごしました。
 
当時の本間は自他ともに認める「変態」で、常に数学の問題を解いていたり、なにかに熱中する様は異彩を放っていました。
学問に熱中しながらも、文化的な造詣もあり、サブカルやゲームにも詳しい本間とは、自然に楽しい会話ができ、良き同志のような友情を育めたと思います。
まさか、これが将来を変える出会いになるとは想像もしてませんでしたが。笑

 
就活ではコンシューマー製品を作りたくて大手メーカーを志し、ジョブマッチングで推薦を受け、東芝でテレビ開発をおこなう部署にエントリーしました。
面接してくれた課長が「情報化社会についていけない消費者を救うのがエンジニアリングの使命」という、私の思想を面白がって採用してくれたお陰で、リーマンショックによる就職氷河期の中でも希望通りの就職が叶いました。
 
テレビ開発は、利用者数が多く、常に製品がインターネットに繋がっており、ソフトウェアウェアのアップデートがあり、東芝は多くを内製で開発していたので、ソフトウェア側との連携があるなど、広い目で製品を開発する経験ができて、今振り返るとIoTに近い場所で仕事ができたと思います。
東芝に育ててもらった5年間は私の仕事人生の足場を作ってくれた大切な場所です。先日も代表の河瀬と一緒に最新技術の見学に訪問するなど、卒業後もお世話になっています。

 
フォトシンスへの転職のきっかけは、やはり当時のCTOの本間です。
 
東芝の居心地が良かったので元々転職する気持ちはなかったのですが、本間から起業やその時々の開発について話を聞いている中で、どこか無意識に「自分だったらこうするな」と考えていました。
それから1年経ってフォトシンスに誘われた時もかなり悩んだのですが、東芝で育ててもらった自分の力を試してみたい、今までにないものづくりに挑戦してみたいという気持ちが湧いてきて、ついに転職を決意しました。
 
 
今は広いオフィスに移転してスタッフも増え、環境はかなり整っていますが、2016年初頭のフォトシンスは、まさにベンチャー企業で、東芝時代にあって当たり前なものがないのが普通でした。(とはいえ、経営陣がしっかり資金調達して環境を作る努力をしていましたし、周りのベンチャーと比べると恵まれた環境だったと思います。)
 
1から環境をみんなで作っていく過程が面白かった。みんなで議論して何が正しいのか、どこへ向かうのか手探りで走る毎日でした。
製品とサービスを作り上げるために、部署関係なく膝を突き合わせてとことん話し合うので、営業、CS、マーケティング、PRなど、これまで関わりがなかった部門とも近い距離で仕事をするのが新鮮でした。
 
フォトシンスの開発部は、「少数精鋭のスペシャリスト集団」で、お互いにリスペクトがあることが最大の魅力です。
IoT製品の開発では、全てのレイヤーのエンジニアが同じものを作り上げるために間近で仕事するので、異なった分野のスペシャリストと協力し合ってお互いの力を最大限活かすことができた時は嬉しいですね。
自立したスペシャリストが力を合わせて作り上げてきたのが「Akerun入退室管理システム」なので、マネジメントというより交通整理が効果的な組織です。
 
一方で、開発メンバーは専門領域だけでなく、他のレイヤーのことも理解していないと開発できないので、視野を拡げて勉強することも求められます。
プロジェクトによってはWeb側のチームと密に仕事をするのですが、こういった経験はIoTならではです。
技術の幅を広げたいエンジニアにとっても、深掘りしたいエンジニアにとっても、最高の環境だと思います。
 
 
今後は、自身の研鑽はもちろん、「最強のものづくり集団」を目指して組織に貢献したいと考えています。
誰よりも速く高価値で高品質な製品を市場に送り出すためには、個人も組織も成長しつづけないといけません。
 
私は新しいものを生み出すのではなく、組み合わせて積み上げていくタイプなので、組織に生まれた新しいアイデアを、「プロダクト」という形にできるように具現化するのがミッションです。
 
組織が拡大しても今のように信頼できるメンバーと一緒に走り続けて、フォトシンスがものづくりのパイオニアであり続けられるようにしたいですね。